
こんにちは、とみよしこどもクリニックです。
フルミスト(点鼻)の接種に当たり、注意が必要な方や、
同居している方の年齢・持病を背景にした接種の推奨や組み合わせに関してお知らせです。
フルミストの「接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない方)」、
「接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する方)」に関する説明
<接種不適当者>
フルミスト(点鼻)の予防接種を受けるのに適当ではない方
1. 明らかな発熱を呈している方
2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
3. 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな方
4. 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている方
5. 妊娠していることが明らかな方
6. 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある方
<接種要注意者>
接種の判断を行うのに注意が必要な方
1. ゼラチン(製剤・食品に含有されているもの)アレルギーをお持ちの方
2. 卵アレルギーをお持ちの方
※国内の添付文書では、「鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーを呈するおそれのある者」とされていますが、米国では「卵アレルギーのみの場合は、重症度に関係なく、あらゆるワクチン被接種者に推奨される以上の (特別な) 安全対策は必要ない。」とされてます。
※下記(メディカルコラム)にも記事がありますので、参照ください。
https://tomiyoshi-kodomo.clinic/medical-treatment/medical-column/influenza-vaccine-for-patients-with-egg-allergy/
3. 喘息をお持ちの方
※国内の添付文書は、「重度の喘息を有する者又は喘鳴の症状を呈する者」とあります。
”重度”とは「高容量の吸入ステロイドなど複数の薬品を使用してもコントロール不良であるケース」に当たります。日常的に吸入薬を使用し、調子良く経過している人であれば、問題ないと考えて頂いていいと思います
ただ喘息を持っている方(喘息の既往がある方)が、インフルエンザに罹患すると喘息発作の出現など重症化のリスクが上がるため、ワクチンでの予防をお勧めします。
4. 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる方
※フルミストの接種を受けた小児は、鼻咽頭分泌物中にワクチンウイルスを最長3〜4週間排出する可能性があります。実際、フルミスト被接種者から未接種者へのワクチン由来ウイルスの水平伝播が報告されています。国内の添付文書には、「飛沫又は接触によりワクチンウイルスの水平伝播の可能性があるため、ワクチン接種後1〜2週間は、重度の免疫不全者との密接な関係を可能な限り避けるなど、必要な措置を講じることを被接種者又はその保護者に説明すること。」という記載があり、米国においては、重度の免疫抑制者の濃厚接触者 (例えば、家庭内接触者) はフルミストの接種をするべきではないとされてます。
5. 授乳婦・妊婦・妊娠の可能性のある女性
※国内のフルミストの接種適応年齢は2〜19歳未満となっているので、実質的には上記に該当する人はほぼいないと思われます。ただ水平伝播するリスクがあるので、注意は必要です。
6. サリチル酸系医薬品(アスピリン等)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン等)、メフェナム酸(ポンタール等)
※ライ症候群やインフルエンザ脳炎・ 脳症の重症化との関連性を示す報告があります。
<2歳以上の接種と組み合わせ>
これらを踏まえて、2歳以上の子どもへのフルミスト接種と、同居人などの組み合わせをまとめました。
・2歳の子+保護者:接種は問題なし
→保護者は水平伝播を受ける可能性あり。保護者も一緒に”不活化ワクチン(注射)”を受けるのがお勧め。
・2歳の子+同居高齢者:接種は問題なし
→高齢者は水平伝播を受ける可能性あり。高齢者はかかりつけなどで不活化ワクチン(注射)を受けるのがお勧め。
・2歳の子+喘息・糖尿病などの持病ある同居者:接種は問題なし
→同居者は水平伝播を受ける可能性あり。喘息が重度でなければ、生活における接触制限は不要。
・2歳の子+妊婦:接種は可能だが、妊婦へ水平伝播する可能性あり
→フルミストのワクチンウィルスは弱毒化されたものであるため、胎盤経由で胎児に感染するリスクはない。(妊婦自身に接種する場合は、胎児への感染リスクが否定できないため、不活化ワクチン(注射)が推奨されている)
・2歳の子+免疫不全の家族:要注意(不活化ワクチン(注射)を推奨)
→接種後1〜2週間(最長で3〜4週間程度)は、接種した人の鼻やのどからワクチンウイルスが排出されます。免疫力が極めて低下している方がこのウイルスを吸い込むと、弱毒化されたウイルスであっても、体内で増殖してインフルエンザを発症したり、重症化したりする恐れがあります。
・2歳の子+1歳の弟妹:接種は可能だが、弟妹へ水平伝播する可能性あり
→2歳児にはフルミスト、1歳の弟妹には不活化ワクチン(注射)と分けるのがお勧めです。その場合、流行状況にもよりますが、可能なら先に1歳児に1回目の注射を済ませ、2回目のタイミングで2歳児にフルミストをするといいかもしれません。
・2歳の子+6ヶ月未満の弟妹:接種は可能だが、弟妹へ水平伝播する可能性あり。不活化ワクチン(注射)を推奨。
→6ヶ月未満児は免疫機構が未熟であるため、水平伝播を受けることで、インフルエンザを発症したり、重症化したりする可能性があります。不活化ワクチン(注射)も接種対象ではないため、6ヶ月未満児がいる家庭では、その子をインフルエンザの流行から守るために、「コクーン戦略」が推奨です。「コクーン戦略」とは、同居している周囲のものがワクチンを接種して、児への感染リスクを下げることです。
不明点があれば、事前に問い合わせいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
メーカーからの注意事項:https://tomiyoshi-kodomo.clinic/medical-treatment/vaccination#flumist
フルミスト予診票:https://tomiyoshi-kodomo.clinic/wp-content/uploads/2024/10/flumist-notice.pdf
インフル予防接種 予約(9/14~):https://ssc6.doctorqube.com/tomiyoshi-kodomo.clinic/
